「霞ケ浦キャビア」全国へ 低塩分、食感に業界注目

霞ケ浦流域で養殖したチョウザメの卵から作った「霞ケ浦キャビア」

 茨城県が、霞ケ浦流域で養殖したチョウザメの卵から作った「霞ケ浦キャビア」の生産を本格化させる。地元企業が東京のフランス料理店の協力を得て、低塩分と卵本来の食感を実現。県が独自開発した技術により生産コストが引き下げられ、ホテルや卸売業者から注目が集まっているという。県は、国産キャビアで先行する宮崎県の座を虎視眈々と狙う。

 キャビアはチョウザメの卵の塩漬けで、世界三大珍味の一つ。チョウザメが卵を採取できるまで成長するのに10年ほどかかる上、雄と雌の判別が難しく、コストがかさむため高級食材とされる。

 2018年、茨城県は霞ケ浦に面した水産試験場内水面支場(行方市)でチョウザメの養殖を開始。成育期間の短縮を目指し研究を続け、昨年には生後数カ月で雌雄を見分ける技術を完成させた。

 これと並行し、地元企業とキャビアの商品開発にも着手。東京・京橋のフランス料理店「シェ・イノ」の古賀純二シェフが監修し、輸入品では保存性を高めるため一般的な4%程度の塩分濃度を2.5%に抑えた。

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