いきなり心肺停止…客に異変、救護措置する店員2人じつは親子 必死の連携で一命 客の家族が来店しお礼

感謝状を受け取る関野雪雄さん(中)と和行さん(左)

 理容店で意識を失い心肺停止となった男性を助けたとして、埼玉県の庄和消防署は19日、春日部市米島、理容店「ファミリーヘアサロンセキノ」の関野雪雄さん(74)と長男和行さん(51)に感謝状を贈呈した。

 2人は5月11日午前、来店した常連客70代男性が突然心肺停止となった際、迅速に119番通報し、指示に従い救命措置を行うなど適切な処置を行った。駆け付けた救急が病院に搬送し、男性は一命をとりとめた。

 雪雄さん、和行さんによると、同午前9時25分ごろ、男性が髪を切りに来店し、いすに座ると、数分で突然意識を失い、いびきを始めたという。「いきなりだった。普通じゃないと分かり驚いた」と和行さん。雪雄さんが119番すると、電話口で心臓マッサージをするよう指示を受けた。

 気道を確保し、和行さんが男性の胸骨を圧迫。5分もすると、救急隊が到着し、措置を引き継いだ。男性は病院搬送中に心拍が再開。「(搬送後)どうなったか不安でたまらなかった」と雪雄さん。数日後、家族がお礼に訪れ、安堵(あんど)したという。

 地元の理容業の組合で支部長を務める雪雄さんは感謝状を受け取り「応急処置で慌てないよう、今回の体験を踏まえ講習会を開きたい。(男性が)また来店していただければ何より」と話している。

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