「仁徳陵」実は513メートル? 宮内庁、100年ぶり全体測量

仁徳天皇陵(大山古墳)の測量図と完成当時のイメージ

 国内最大の前方後円墳で、宮内庁が仁徳天皇陵として管理する堺市の大山古墳(5世紀中ごろ)について、宮内庁がこのほど、戦前の宮内省時代を含めて約100年ぶりに墳丘全体を詳細に測量して製図し、完成当時の姿を推定したことが26日、分かった。試算の結果、全長は従来の486メートルより約30メートル大きい513.3メートルだった可能性があるという。

 墳丘は後世の崩落などで形状が変わっている部分があり、担当者は「成果を墳丘の保全に生かしたい」と話す。ただ「今回の結果はあくまでも推定。発掘で確定させた数字ではない」とし、公式的な全長は変えない。

 2021年度に墳丘全体の地上レーザー測量を実施し、高精度のデータを収集して新たな測量図を作成した。その上で築造時には「南朝尺」(1尺が25センチ)と呼ばれる尺度が使われたことを踏まえ、墳丘の各部位の幅や長さ、高さなどの比率を求めて復元を試みた。倒木などの影響で地中から露出した埴輪の位置情報も参考にした。

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