入郷棚田の魅力伝えたい オーナー・壬生の大垣さん 四季の写真と昆虫標本を展示

棚田の写真を背に、主に町内で採集した美しい昆虫の標本を持つ大垣さん

 【茂木】国の「つなぐ棚田遺産」に選ばれている「入郷石畑の棚田」の魅力を伝えたいと、棚田オーナーの男性が、自らと長男が撮った写真と町内で採集した昆虫の標本を展示する「入郷石畑棚田の四季写真展」をふみの森もてぎで開催している。7月2日まで。

 写真展を開いているのは、同棚田の今年約50人いるオーナーの一人、壬生町緑町1丁目、会社員大垣正行(おおがきまさゆき)さん(55)。オーナーになって11年目になる。

 展示では、長男の大学2年颯人(はやと)さん(19)と約10年前から入郷石畑の棚田で撮影した棚田の季節の移ろいと、地元の入郷棚田保全協議会が運営する棚田オーナー制の活動を撮影した約100枚の写真を紹介。棚田と周辺の里山が、水生生物や、クワガタ、タマムシ、オオムラサキやカラスアゲハなど多様で美しい昆虫類を観察できる素晴らしい自然環境にあることを説明している。

 棚田の保全に関心を持つきっかけになった昆虫採集の趣味で制作した標本も8箱展示する。昆虫の大半は町内で採集されたものだ。

 大垣さんは「この棚田には超一流の景観があり、絶滅危惧種の動物がいるが、それが当たり前と思われている。実はすごいことだというのを、茂木の人にも知ってほしい」と話した。

 来年以降、棚田を巡る人々の暮らしや文化に触れる展示も計画している。26日は休館。

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