ユニクロ、じつは全品リサイクル・リユース目指す 店員ら学校で授業も 日本人口に匹敵する数の難民支援へ

4年生たちに「世界に目を向けてほしい」と話すユニクロの鯨岡英利子さん(中央)=20日、加須市立礼羽小学校

 埼玉県加須市立礼羽小学校(光野美香校長、児童数263人)で20日、衣料品会社ユニクロの鯨岡英利子さん(23)と遠藤陽子さん(53)を招いた4年生対象の出前授業「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」が開かれた。45人が難民の子に服を贈る支援を学んだ。

 プロジェクトは、ユニクロなどを傘下に持つファーストリテイリングが国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とともに取り組んでいる小・中学生、高校生向け学習プログラム。2013年から始まり、10周年を迎えている。

 授業では、鯨岡さんが「私たちはユニクロ羽生店で働いています」と自己紹介。プログラムについて、「みんなが着なくなって不要になった子ども服を回収し、服がなくて困っている難民の子たちに提供しています」と説明した。

 ユニクロでは、全商品をリサイクル、リユースする取り組みを進めている。出前授業では、支援活動への協力を求めていて、11月までを衣料回収期日としている。SDGsの開発目標「16 平和と公正をすべての人に」と「17 パートナーシップで目標を達成しよう」になる。

 授業では、難民の人口が現在1億人以上になり、日本の人口(約1億2500万人)に匹敵していること。その半数は子どもたちで、困窮した生活を送っていること。衣料の提供を受けて、多くの人が救われていることなどを、映像を見せながら教えた。

 授業を受けた小林楓果(ふうか)さんは「着なくなった服を難民の子に届けたくなった」、榎本瑞希さんは「SDGsになる」、高石麻夢果さんは「難民の子に服を寄付したいと思う」と話した。

 鯨岡さんは「服のチカラってなんだろう?。お気に入りだったらうれしいね。おそろいだったら一体感を感じる。服がないと命に関わるかも知れないんだよ」などと話し、4年生と一緒に考えた。

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