能動的サイバー防御、法課題精査 政府、秋にも有識者会議

能動的サイバー防御の主な法的課題

 政府は、サイバー攻撃に先手を打って被害を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」導入に向け、秋にも有識者会議を発足させる。相手側サーバー内の情報検知や、侵入・無害化を想定しており、憲法21条や電気通信事業法4条が定めた「通信の秘密」を侵害する可能性が指摘されている。有識者会議で法的課題を精査し、法整備が必要かどうかを検討する。政府関係者が26日明らかにした。

 昨年12月に改定した国家安全保障戦略は「サイバー安全保障分野での対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させる」と指摘。能動的サイバー防御導入に向けた体制整備が明記された。

 関係者によると、有識者会議は民間通信事業者、サイバーセキュリティー専門家、法学者、弁護士らの参加を想定している。能動的サイバー防御を導入する上で、通信の秘密を制限し、攻撃側に悪用されたサーバー内の情報を検知することが現行法制でどこまで可能かが議論の焦点となる。

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