マイナ保険証トラブル、青森県内で61件 一時的に10割請求例も 県保険医協会調査

 青森県保険医協会は26日、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に関して、県内の医療機関を対象に行ったアンケートの結果を公表した。オンラインによる保険証の資格確認システムを導入した医療機関のうち、53医療機関から計61件のトラブル事例が報告された。保険証情報の誤りやシステムの不具合に関する報告が目立ったほか、トラブルの結果、一時的に医療費の10割を患者に請求せざるを得なかった事例もあったとしている。

 アンケートは5月30日から6月20日にかけて実施。会員の医療機関(歯科含む)876カ所に調査用紙を送り、102カ所から回答を得た。回答率は11.6%だった。

 回答した医療機関のうち、8割に当たる82カ所が、オンライン確認システムを導入している。最も回答数が多かったトラブルは、保険証情報の誤りに関する内容(28件)だった。受診患者の家族の情報が表示された事例があったほか、保険証の資格があるのに「該当なし」と表示された、保険証の種類や住所の変更情報がオンライン上では未反映だった-などの回答も寄せられた。

 マイナ保険証やシステムの不具合に関する回答(21件)では、カード読み取り機器や通信のエラーで読み取りができなかったり、確認に時間がかかったりするトラブルが挙がった。

 対応方法は、従来の保険証を確認するとの回答が最多の24件。受診の際に従来の保険証がなかった患者に対しては、自費での医療費支払いを求めたと回答した医療機関もあった。

 県保険医協会の津川信彦会長は「オンライン資格確認システムが絶対にいけないというスタンスではないが、性急すぎて医療機関に負担が発生している。国は立ち止まって物事を進めてほしい」と話した。

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