ザンダーに朝食を 「試合の朝は納豆、味噌汁、目玉焼き…」

シャウフェレの兄ニコさんが作るおいしそうなパスタです

◇米国男子◇トラベラーズ選手権 最終日(25日)◇TPCリバーハイランド(コネチカット州)◇6852yd(パー70)

ザンダー・シャウフェレの関係者と話をしていて、思わず耳を疑った。ザンダーが朝ごはんに納豆を食べたというのだ。え!?納豆?ザンダーが?と聞き返してしまったほど。そもそもコネチカットで納豆が買えるのか?など、いろいろな疑問が浮かぶ。

ということでザンダーのマネジャーのガオヤさん(高雅さん。ザンダーの叔父)、ザンダーの兄ニコ・シャウフェレさん、ザンダー奥さんのマヤさんに協力してもらって、ザンダーのトーナメント中の食生活を教えてもらった。

ツアー7勝のザンダー・シャウフェレ(写真は2023年全米プロゴルフ選手権)

まずは、ザンダーの食生活の歴史を押さえておこう。父・ステファンさんがドイツとフランスにルーツを持ち、母・ピンイー(秉彝)さんは台湾にルーツを持ち日本で育った。

2人の手料理を食べてきた影響もあって、ザンダーの舌はかなり多国籍なのだ。パンやチーズ、ソーセージといったいわゆる洋食だけでなく、味噌汁や刺身、そばなどの和食も好み、もちろん中華料理もよく食べる。とにかく好き嫌いがなく、たんぱく質(肉や魚)を中心に何でもおいしく食べるそうだ。

子供のころは、ステファンさんが作るシュペッツレという南ドイツのパスタ料理を好んで食べていたとのこと。一方で、小籠包などは止めない限り何個でも食べてしまうほどの好物だという。

ザンダーの兄、ニコさんがシチリアンパスタを作る

トーナメント期間中は、「コースのそばに家を借りて、チームの誰かが1週間の料理を作ることが多い」(ガオヤさん)と外食は少ない。今週の料理担当は兄のニコさんで、料理好きということもありシェフになるケースがいちばん多い。料理担当になると、もはやコースに試合を見に行く余裕がないほど忙しい。

ザンダー、キャディのオースティン、ザンダーの奥さんなどを含めた関係者総勢7、8人のご飯を作る。しかも朝食、夕食だけでなく、コースで食べる軽食用のサンドイッチまで作るから、買い出しも含めてその大変さは想像に難くない。

定番の朝ごはん。味噌汁、ごはん、目玉焼き、あらびきソーセージ、納豆

今週の朝食のメニューを紹介しておくと…「納豆、目玉焼き、あらびきソーセージ(マヨネーズがけ)、ごはん、味噌汁」というのが定番。ちなみに味噌汁の具は、わかめに麩が入ったもの。ソーセージにマヨネーズをかけるなんて、ザンダーも意外とマヨラーということに親近感がわく。それにしても納豆はどこで買っているのか。「近所に日本食屋があって、ニコはそこと中華系スーパーとホールフーズを毎日はしごしています」とガオヤさん。

ニコさんは夕食のレパートリーも豊富で、今週のメニューを聞くと、「シチリアンパスタ」、「サーモンと野菜の蒸し焼き」、「エビチリソース」などに加え、「ショートリブのペナンカレー風味」とかなり本格的なメニューが並ぶ。

バリエーション豊かだが、なんでも「全米プロゴルフ選手権」のときにカツカレーとミートソースが多かったことでザンダーから「単調過ぎる」という注文(?)が入り、今週はニコさんも発奮したようだ。ニコさんもザンダーとともに多国籍な環境で育った影響か、他にもそばサラダや大根の煮物など、そのレパートリーは実にワールドワイドだ。

プロを陰で支える家族のサポート。ザンダーが試合で最高のパフォーマンスを発揮するために、今日もニコさんはキッチンで腕を振るう。(コネチカット州ハートフォード/服部謙二郎)

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