九重町の農家レストラン「べべんこ」20周年 自社牧場の牛肉使った料理が好評【大分県】

20周年を喜ぶ社長の鷲頭郁代さん(中央)とスタッフ=九重町田野

 【九重】九重町田野の農家レストラン「べべんこ」がオープンから20年を迎えた。自社牧場で育てた牛肉を使った料理や土産品が好評で、県内外からドライブ途中に立ち寄る客らが絶えない。社長の鷲頭郁代さん(44)は「新型コロナウイルスの影響がさらに落ち着いたら、これまでのご愛顧に感謝するイベントを企画したい」と張り切っている。

 郁代さんの父で畜産業を営む栄治さん(71)が、講演会で聞いた「6次産業」に感銘を受けて出店を思い立った。仕事の傍ら、7年かけて自ら駐車場など建物以外の周辺環境を整備。2003年4月にオープンした。3年後には店から約2キロの場所に九重“夢”大吊橋が完成。ドライブコースの九州横断道路沿いという絶好のロケーションもあり、営業は軌道に乗った。

 19年に法人化し、郁代さんが社長に就任。直後に新型コロナの感染拡大が始まり、客足は激減した。自動券売機の導入、テイクアウトやオンライン販売に取り組み、郁代さんは「ピンチをチャンスに変えようと必死で頑張った」と振り返る。

 店は5月の大型連休ごろから、コロナ禍前のようなにぎわいが戻ってきた。人気メニューは200グラムとボリュームたっぷりの「おおいた和牛ステーキ定食」(税込み4150円)、「豊後牛牛丼」(1400円)、おおいた和牛焼き肉丼(1730円)など。

 豊後牛を使ったコロッケも創業当時から評判が良く、定食(1200円)のほか、テイクアウト(1個250円)もある。

 栄治さんは「リピーターが多く、『また来たよ』の言葉が本当にありがたい。これからも愛される店であり続けたい」と節目を喜んでいる。

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