竹田市の七里田温泉館「下ん湯」7月に再開 バリアフリー、耐震仕様に建て替え【大分県】

日向灘の地震による湯量減少をきっかけに建て替えられた七里田温泉館「下ん湯」=25日午後、竹田市久住町有氏
七里田温泉館「下ん湯」を建て替えた地元運営会社の大津真二社長

 昨年1月の日向灘の地震後、建て替えを進めていた竹田市久住町有氏の七里田(しちりだ)温泉館「下ん湯」が完成した。7月1日から営業を再開する予定。新たな施設はバリアフリーの耐震仕様とし、大量の泡が肌に付く炭酸泉を幅広い人たちが楽しめるようになる。

 七里田温泉館は下ん湯と木乃葉(このは)の湯があり、地元住民で組織する有限会社「七里田温泉館」(大津真二社長)が運営。下ん湯は高濃度の炭酸泉が人気を博してきた。

 地震が起きた後、下ん湯の湯量が約10分の1に減少。温泉をくみ上げるパイプの詰まりを解消すると湯量が戻り、昨年4月下旬から10月末まで営業を再開した。その後、老朽化した施設と設備を一新するため解体、新築工事をしていた。

 新施設は木造平屋(46平方メートル)。男女別の浴室とトイレを備え、浴槽は深さ55センチと以前より浅くして入りやすくした。施設への通路を階段からスロープに替えたほか、入り口から洗い場までの段差を小さくし、炭酸泉に含まれる二酸化炭素の換気も改善した。

 湯量は以前の1.5倍ほどになり、今後、足湯の整備も検討している。総工費は約3千万円で、地元企業や有志の寄付などを活用。当初は4月オープンを目指したが、資材不足や設計変更などで約3カ月遅れた。

 大津社長(73)は「連日、再開に関する問い合わせが20~30件ある。後継者に託すためにも設備投資をした。長く楽しんでもらえたら」と話している。

 営業は午前9時~午後9時。毎月第2火曜休館。料金は1時間当たり一般800円、中学生以下400円(3歳未満無料)。問い合わせは同温泉館(0974.77.2686)。

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