長崎・活水女子大が新学科設置へ 伝統の音楽学部は来春募集せず 受験生のニーズに対応

 活水女子大(長崎市東山手町)が国際文化学部に新たに「国際文化学科」を設置することが分かった。26日、文部科学省に届け出た。一方、音楽学部は2024年度の入学生については募集を停止する。国内の出生数が22年に80万人を切るなど急速に少子化が進む中、受験生のニーズに合った学部学科の再編で学生の確保を目指す。
 国際文化学科の定員は70人の予定。▽英語コミュニケーション▽日本文化▽地域・ビジネスの3コースを設ける。新学科の設置に伴って国際文化学部の英語、日本文化の2学科は24年度から募集しない。ただし、2学科と音楽学部の3年次編入は受け付ける。
 同大によると、新設学科の構想案を長崎、佐賀両県の高校生に示し、「魅力を感じるか」「入学してみたいか」などを尋ねたところ、好意的な回答が多かったという。専門的な学びができるだけでなく、多様な共通科目も選べ、2年進学時にコースの変更も可能。担当者は「入学後に将来の目標が明確になったり、変化したりする学生もいる。多様な学び方ができる」と話す。
 同大を運営する活水学院は1879(明治12)年、活水女学校として創立。長崎市内を中心に中学から大学院までを整備。音楽学部の源流は87年に設置された同女学校音楽科で140年近い歴史がある。ただ、同学部教授の吉田峰明副学長が「音楽学部は全国的に厳しい大学が多い」と話すように、2020年度以降は定員35人に対し、10人台の入学者にとどまっている。
 現在の1年生が卒業後に廃止する予定だが、吉田副学長は「伝統は残していきたい」と語る。新設学科には音楽系の共通科目を複数設けるほか、専門的に学びたい学生のニーズに応えられる体制も整える予定。
 県内では長崎大が一部の学部を長崎市中心部に移転させる計画を進めていたが、今月19日に断念を公表。主な理由に急速な少子化を挙げている。

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