各国の大臣らを自慢の果物"マンゴー"でおもてなし G7日光・関係閣僚会合

 G7会合の開催は地元にとって地域の魅力を発信する場として大きなメリットがありますが、ホテルで大臣らに提供されたメニューには栃木の食材も数多くありました。政府主催のレセプションでは、障がい者が育てたある果物も注目されました。

 ハウスの中で栽培されているのは、南国のフルーツ・マンゴーです。壬生町にある社会福祉法人共育会が運営する障がい者の就労支援施設では、おととし(2021年)の夏から他の施設との違いを出そうとマンゴー栽培に取り組んでいます。

 栽培農家から指導を受けて3年目。施設に通う人たちが丹精込めて育てたマンゴーは都内の高級レストランのほか贈答用として百貨店などからも引き合いがあります。

 その栽培にもこだわりがあります。この社会福祉法人では、藍染にも取り組んでいて原料となる藍草を農薬を使わずに育てています。藍の葉を発酵・熟成させた「すくも」もすべてこちらでつくっています。マンゴーの栽培には、化学肥料は使わず藍染で出た廃液を農薬代わりに使います。この廃液は肥料のほか、その臭いから虫を寄せ付けにくくする効果もあるといいます。

 マンゴーは現在、ポット栽培で60本ほどを育てていますが、藍草づくりをはじめ無駄のない持続可能な取り組みを進めています。自分たちが育てたマンゴーが、地元で開催されるG7の会合で各国の大臣たちに提供される。それを聞いて施設に通う人たちは、笑顔を見せました。

 G7関係閣僚会合の会場となった奥日光にある高級ホテルザ・リッツ・カールトン日光では、ピューレを県産のマスの付け合わせのソースに、完熟マンゴーは料理のテーマに合わせた形で調理をし、若いマンゴーをピクルスにして大臣らに振る舞ったといいます。

 会合のテーマは男女共同参画・女性活躍推進ですが、施設では今回の会合を通じて障がいのある人たちが自信ややりがいを感じるきっかけをもらえたと感謝しています。男女のみならず障がい者も含め、みんなが生きやすく活躍できる社会へ期待を込めます。

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