なでしこジャパンも出場するFIFA女子ワールドカップが今月開幕を迎える。
そうしたなか、『Sky Sports』は、女子選手たちが抱えるスパイクの問題について伝えていた。
女子サッカー選手は男子と比べて前十字靭帯断裂の発生率が高く、スパイクもその一因と指摘する声がある。
欧州クラブ協会(ECA)が1年をかけて行った調査の結果、女子選手たちの82%が着用しているスパイクへの不快感に悩まされていると回答したという。
基本的にサッカースパイクは女子も男子も同じで、白人男性の足が基準になっている。ただ、男女の足には違いがあり、女性の足は全体的に小さいほか、土踏まずが高く、かかとの形も異なる。
調査した350人の女子選手の8割以上がスパイク着用時に不快感を経験したことがあると回答。ECAは女子・女性選手に向けの2つの新しいスパイクデザインを提供すべきとしている。
今回の調査にかかわったセント・メリーズ大学の教授は、スパイクによって靭帯断裂を防ぐことはできないとしつつ、女子選手には快適さと選択肢が与えられるべきだとしている。また、民族性も足の形状に大きく影響しているとのこと。
ECAは女子選手に必要なものについての研究の始まりに過ぎないとしており、教授は今回の研究結果をスパイクメーカーと共有するそう。
なお、Nikeは女子ワールドカップに先立ち、女子選手の要望を取り入れた新スパイク「Phantom Luna」を発表している。
女性専用ではないものの、デザイン面では女性の足を第一に考えられており、前十字靭帯やアキレス腱の怪我が起きにくい作りになっている。
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『Sky Sports』の独自調査でも、スポーツをしている10代の前十字靭帯断裂発生率は、20年前に比べて29倍近くに跳ね上がっているそう。特に若い女性のリスクが高い。
外科医らのグループは、練習前や競技前に10~15分ほどのウォーミングアップを行うことで、前十字靭帯断裂のリスクを50~70%ほど減らすことができると考えているそう。