ウソみたいだろ、梅干しなんだぜ 厚さ0.2ミリの梅干し開発 味覚分析ほぼ一致「おにぎりに巻いてみたい」

ウソみたいだろ、梅干しなんだぜ―。そう言われても、にわかには信じがたい見た目。しかし、風味は梅干しそのもの。厚さわずか0.2mmのシート状梅干しが開発された。

保存性のあるシート状食品を取り扱う、株式会社橋口加工食品研究所(長崎市)が今月13日、梅干しのシート状食品を開発したことを発表。厚さはわずか0.2mm、大きさ14×20cm、重さ7gのシートに、梅干し約40g(4個分)を使用し、深い風味を凝縮している。

梅干しと寒天を特許製法により、柔軟性をもつ紙のような性状に。手でちぎるには適していないが、ハサミなどでカットできる。赤いシートはシソ梅干し、桃色シートは南高梅を原料とし、味覚センサーによる分析では、「酸味」「塩味」「旨味コク」など全7項目の数値がほぼ一致。見た目は大きく変わっても、風味はそのままを維持している。

常温下で6カ月の保存が可能。同社では、梅干しの新たな需要を目的に、保存食としての利用のほか、登山や運動時などの携帯食としての利用を想定している。

また、SNSでは「海苔の代わりにおにぎりに巻いてみたい」「海苔の真下にこれ巻いたおにぎりとか面白そう」などの声も。同社の橋口亮社長によると、海苔の代用も十分に可能とのこと。ご飯の水分程度で溶けることはなく「むしろ、ほどよく柔らかくなって食べやすいですよ。私もたまにご飯に巻いて食べます」と社長自ら新感覚の梅おにぎりを楽しんでいる。

26日には、かつおだしのシート状食品を開発したことも発表。梅干しシートも含め、知名度の拡大がこれからの課題。現在、一般販売は行っていないが、橋口社長は「まずは知ってもらって、その先の展開によっては一般の方への販売も考えていきたい」とした。

(よろず~ニュース・藤丸 紘生)

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