市川猿之助 逮捕で130年続いた“猿之助”が途絶える可能性…澤瀉屋の歴史につけた傷

昨年4月、歌舞伎座の楽屋口から出てくる猿之助

6月27日、市川猿之助容疑者(47)が自殺ほう助の疑いで逮捕された。5月18日に都内の自宅で両親と共に倒れているのが見つかり、両親は死亡。猿之助容疑者は自身の睡眠薬を手渡したとみられ、任意の調べに対しては「両親が薬を飲んだ」という趣旨の説明をしているという。

5月18日に母親の喜熨斗延子さん(享年75)が自宅で死亡が確認され、父親の市川段四郎さん(享年76)は搬送先の病院で死亡した事件。猿之助容疑者自身も自殺を図り救急搬送されていた。

歌舞伎関係者は“猿之助”の不在を危惧している。

「ほとんどの名跡は一時的に途絶えています。たとえば“團十郎”は22年に13代目が襲名しましたが、先代が亡くなってから約9年ぶりの復活でした。“中車”は12年に香川照之さん(57)が9代目を襲名しましたが、8代目の没後41年ぶりのことでした。

しかし、“猿之助”は初代が1890年に名乗ってから一日も途絶えることなく、連綿と続いてきた珍しい名跡なのです」(歌舞伎関係者)

しかし猿之助容疑者の逮捕によってその歴史が途絶えかねないという。

「歌舞伎の興行主である松竹は、猿之助さんの10月までの休演を発表しています。松竹としては、人気役者の猿之助さんには復帰してもらいたいというのが本音でしょうが、逮捕ともなればさすがに難しいでしょう。

“猿之助”は代々革新的な芸を披露してきた名跡で、猿之助さんも人気コミック『ワンピース』の歌舞伎化に成功するなど、革新の精神を受け継いできました。しかしそれが今回の逮捕で、澤瀉屋を牽引してきた“猿之助”が史上初めて不在ということになりそうです」(前出・歌舞伎関係者)

自らの行いが130年以上の歴史に傷をつけることにーー。猿之助容疑者はいま、澤瀉屋一門にどのような思いを抱えているのだろうか。

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