広島市は「平和と和解の架け橋」 一部で反発も 平和公園とパールハーバー国立記念公園が「姉妹協定」

広島市の平和公園とアメリカ・ハワイのパールハーバー国立記念公園が29日、姉妹公園協定を締結します。広島市は「平和と和解の架け橋になる」としていますが、一部の市民グループは反発しています。

パールハーバー国立記念公園は旧日本軍の奇襲攻撃で太平洋戦争が始まった地として知られています。

広島市によりますと、ことし4月、「G7広島サミットをきっかけに、平和公園との間で姉妹公園協定を結びたい」と、アメリカ側から打診がありました。広島市は「戦争の始まりと終わりに関係する両公園の提携は、平和と和解の架け橋の役割を果たしていくことになる」として、協定の締結を受け入れました。29日、東京のアメリカ大使館で調印式が行われる予定です。

これについて県被団協など10の団体で作る市民グループが27日、広島市に申し入れをしました。

市民グループの共同代表
「正直、驚いています。これほどまでに急がれる理由は何なのか。説明も受けておりません」

市民グループは、「両公園の提携は市民や被爆者を含む多様な議論を経ないで、唐突に提起された」として、いったん保留して全市的な議論を行うことを文書で要請しました。

広島市の担当者は、「提携の中身については今後、アメリカ側と協議する。市民の平和への思いをくんだものにしていきたい」と話しています。

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