【熱海土石流】発生後まもなく2年で三回忌法要 母親亡くした被災者…盛り土崩落の責任追及し続ける決意語る

静岡・熱海市で起きた土石流災害は、7月3日で発生から2年となる。6月27日、母親を亡くした瀬下雄史さんが三回忌の法要を行い、盛り土が崩落した責任を追及し続ける決意を語った。

27日、横浜市の斎場を訪れた瀬下雄史さん。77歳で亡くなった母・陽子さんの三回忌の法要を行い、祭壇に手を合わせた。

(母を亡くした 瀬下雄史さん)

「(2年前と)変わらず悲しい、悔しい気持ちを持っている、本当にそのような気持ちを持っていて、また新たに手を合わさせていただいた」

2021年7月3日、不適切に積み上げられた盛り土が大規模に崩落し、28人が犠牲となった熱海市伊豆山の土石流災害。伊豆山で一人暮らしをしていた陽子さんは、土石流に巻き込まれ、帰らぬ人となった。

千葉で暮らす瀬下さんは、発生から1か月半後、盛り土が崩落した責任を追及するため、遺族や被災者らと「被害者の会」を結成した。そして2022年、盛り土があった土地の現在と前の所有者らに損害賠償を求め提訴。さらに、崩落を防げなかった責任があるとして、静岡県と熱海市に対しても訴えを起こした。

しかし、現在と前の土地所有者、県と熱海市は全面的に争う姿勢を示していて、責任の所在は明らかにならないまま…。2年が経とうとするいまも、裁判の進展はみられず、瀬下さんはもどかしい思いを抱いている。

(瀬下雄史さん)

「それぞれが、それぞれの責任がなかったと逃げ口上に終始している、裁判を通じて真相究明と責任追及をしていくという思いに変わりはない、これから先、まだかかる時間を想像すると、少し気が遠くなるしつらくなるのが率直な思い」

瀬下さんは土石流を風化させないためにも、あらためて責任を追及し続ける決意を語った。

(瀬下雄史さん)

「こういうことはもうなくなってほしい、犠牲になった方々が報われるよう、引き続き責任追及や真相究明、ここをしっかりやっていきながら再発防止というところまでしっかりやりたい」

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