【リニア】JR東海のこれまでの対応を批判の一方「田代ダム案」協議進展めぐる今後の対応への質問には言葉濁す 静岡・川勝知事

リニア新幹線静岡工区の水問題解決策として、6月、JR東海と東京電力の間で始まった「田代ダム」案の協議。静岡・川勝知事は、6月27日、JR東海のこれまでの対応について厳しく批判した。

リニア新幹線の工事によって、大井川の水量減少が懸念されている問題で、対策として検討が進んでいるのが、大井川上流にある「田代ダム」の取水を抑制し、大井川の水量を確保する案。この田代ダム案について、ダムを管理する東京電力はJR東海に対し、流域市町から「協議開始の了解を得ること」を求めていた。

しかし、静岡県はJR東海に対し、大井川利水関係協議会の規約に触れることから「流域市町などと個別に接触することを控えるよう」求めていて、JR東海は東京電力との協議を進められない状況が続いていた。こうしたなか6月14日、県は、大井川利水関係協議会から了承されたとして、東京電力との協議開始を認めるとJR東海に通知。「田代ダム案」が示されてから1年2か月が経ち、先週からJR東海と東京電力による協議が始まった。これを受けて27日、川勝知事は会見で、田代ダム案をめぐるJR東海の対応について厳しい批判をした。

(川勝知事)

「はっきり言ってなんたる提案であったのかということ」「本来(東京電力の了解を得る)手続きを済ませたうえで提案すること」「東京電力の了解もなしに提案された、了解が得られるかどうかをようやく始めた、提案としては実に拙劣であった」

一方、今後JR東海と東京電力の間で協議がまとまり、有効な案であることが示された場合、「県は田代ダム案を認めるのか?」という質問に対しては言葉を濁した。

(川勝知事)

「実現可能性についてJR東海と東京電力が話をして共有することが大事」「最初の一歩でしょう、これは、それができていなかった」

ようやく本格的に動き出した「田代ダム案」。JR東海と東京電力の協議、そして県の対応が今後注目される。田代ダム案についてJR東海は、「東京電力と話し合いを進めながら提案をした。突然提案したわけではない」と話している。

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