被災時もリハビリ支援を 難病患者ら向け講演会 宮崎市

鈴木幹次郎副院長が講師を務めた、難病患者向けの災害時のリハビリについて学ぶ講演会

 県難病相談・支援センターは22日、宮崎市の県福祉総合センターで、難病患者向けの災害時のリハビリを学ぶ講演会を初めて開いた。難病患者や支援者ら14人が参加。日本リハビリテーション医学会専門医の早稲田クリニック(同市)の鈴木幹次郎副院長が「豊かな生活のために取り組んで」と呼びかけた。
 リハビリは体の動きを戻す回復と、不足する部分を道具や器具で補う二つの側面があると説明。「疾病や障害にかかわらず、持てる力を最大限に発揮できるようにすること」とした。
 2016年の熊本地震発災直後に現地入りした経験を踏まえ、段階に合わせたリハビリ支援が必要と強調。生活不活発病予防のため早期にリハビリをする必要があるとした。一方、被災直後はスロープや手すりを使った動線の確保など、避難所の住環境整備が最優先になると訴えた。
 また「体、頭、心を動かすと良いが、無理やりやらされても効果は低い。昔のおもちゃで遊んだり、歌ったりと、好きなことをして充実感や達成感を得るのも大事」と話した。
 終了後、参加者からは「体をほぐすだけが目的ではないと納得できた」「視覚障害者は避難所に行くまでに課題がある」などの声が上がった。

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