角田裕毅、フェルスタッペンとのオフロードバトルを制する。レッドブルの企画でメガトラックをドライブ

 F1第10戦オーストリアGP開催直前、グランプリの舞台となるレッドブルリンクから45分の距離にある鉱山にて、レッドブルによる企画『(アン)シリアス・レース・シリーズ』の第2ラウンドとして、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)と角田裕毅(アルファタウリ)によるオフロードレースが実現。角田が2度のF1王者との直接対決を制した。

 飲料メーカーのレッドブルは2023年シーズン中、一部のグランプリの開催前にレッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリのドライバーが、ユニークな車両とロケーションで競う、地球上でもっとも“不”真面目なレースシリーズと称した企画『(アン)シリアス・レース・シリーズ』を実施している。

 第1ラウンドは5月のF1第5戦マイアミGPの直前に、マイアミのマリーナで行われた。その際は角田とダニエル・リカルド(レッドブル/サードドライバー)によるミニジェットボート対決で、角田が勝利を飾っている。

 アルファタウリにとっては連勝もかかるなかで迎えた第2ラウンドの舞台はレッドブルリンクから45分の距離にあり、FIMハードエンデューロ世界選手権『レッドブル・エルズベルグロデオ』の舞台としても知られるエルツベルク鉱山だ。

 フェルスタッペンと角田はそれぞれのチームカラーに彩られた全高3.7メートル、全長5.4メートル、重量は4.2トン、シボレー製5.7リッタービッグブロックエンジンを搭載し最大500馬力を発揮するメガトラックに乗り込み、鉄鉱山に設けられたレッドブルリンクのレイアウトをゆるやかに模倣したコースに臨んだ。

全高3.7メートル、全長5.4メートル、重量は4.2トン、シボレー製5.7リッタービッグブロックエンジンを搭載し最大500馬力を発揮するメガトラック

 まず、レースを前にした予選でポールポジションを獲得したのはフェルスタッペンだった。最終セクターで角田に3秒差をつけたフェルスタッペンは「僕はオフロードを走ったことがないんだ。父のラリーカーで走ったことはあるけど、それは舗装路でのことだった。正直に言うと、僕の予選ラップのアプローチは生き残ることだった! とても楽しかったね」と笑顔を見せた。

オフロードでもポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 ただ、レースではロケットスタートを決めた角田がターン1でホールショットを奪うと、その後もフェルスタッペンの追随を許さずチェッカーを受けた。というのも、フェルスタッペンはエンジンがミスファイアに見舞われ、角田をゆっくりと追うことしかできなかったからだ。

角田裕毅(アルファタウリ)/『(アン)シリアス・レース・シリーズ』の第2ラウンド

「マックスは予選で素晴らしいラップを見せ、3秒も速かったので、『もっとスロットルを上げる必要があるかもしれない』と思いました」と角田はレース戦略を振り返った。

「良いスタートが切れて、スタートの勢いを最後まで活かすことができました。残念ながら、マックスのマシンは少しミスファイアしていましたね……。まぁ、彼のエンジンに少し水を入れたのでけど……誰にも言わないでくださいね!」と、角田は冗談も口にした。

フェルスタッペンとのオフロードバトルを制した角田裕毅(アルファタウリ)

 また、フェルスタッペンは「素晴らしいのは、他のチームがやらないようなクレイジーなことを常にやっていることだね。だから、僕もチームの一員として長い間、非常に多くの異なる奇妙でクレイジーなことを行ってきた。今回もそのひとつだよ」と語り、企画を楽しんだ模様だ。

戦いを終えたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と角田裕毅(アルファタウリ)

 今回の勝利で、角田とアルファタウリは『(アン)シリアス・レース・シリーズ』で2連勝を飾った。次回は一体どこで、どのようなレースが繰り広げられるだろうか。

 フェルスタッペンと角田による『(アン)シリアス・レース・シリーズ』の第2ラウンドの模様はレッドブルのオフィシャルYouTubeチャンネルにて配信されている。

■【マックス vs ユウキ】F1ドライバーが超巨大トラックでレース!(YouTube)

URL:https://youtu.be/6jroQWVJLMY

エルツベルク鉱山で行われた『(アン)シリアス・レース・シリーズ』の第2ラウンド

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