大村入管で牧師礼拝 死亡のナイジェリア人男性ら悼む 入管法改正「収容者に過度のストレス」

礼拝後、改正入管難民法に対する収容者の受け止めを話す柚之原牧師=大村市古賀島町、大村入管前

 2019年6月、大村入国管理センター(長崎県大村市)で収容中に死亡したナイジェリア人男性を悼み、長崎インターナショナル教会(同市)の柚之原寛史牧師が27日、大村入管内で礼拝した。入管難民法改正に向けた議論の契機となった男性の死。柚之原牧師は「(法改正で)収容者に過度のストレスがかかっていると感じる」と述べた。
 ナイジェリア人男性は長期収容に抗議し、ハンガーストライキ中に餓死した。柚之原牧師によると毎年6月、この男性や全国の入管施設で死亡した人々に祈りをささげるため、礼拝を執り行っている。この日は職員立ち会いの下、大村入管内の一室で実施。中国、イラン、ベトナム国籍の収容者計4人も参列し、賛美歌を歌い、聖書の一節を読み上げたという。
 ナイジェリア人男性の死を機に、長期収容解消に向けた議論が本格化。今月、外国人の収容・送還のルールを見直す改正入管難民法が可決、成立し、難民申請中の強制送還停止を原則2回に制限した。送還を拒む外国人の退去を進めるのが狙いだが、迫害を受ける恐れがある人も退去させてしまうとの指摘もある。
 礼拝後、取材に応じた柚之原牧師は「収容者や仮放免中の人は改正法成立に不安を感じ、いつ送還されるか分からないプレッシャーがある」と指摘。「私たちにはわかり得ない苦しみを抱え、死ぬか生きるかギリギリの人もいる。礼拝で少しでも彼らを励ませられれば」と話した。

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