電力トップ、不祥事を総会で謝罪 株主の送配電完全分離提案を否決

東京電力ホールディングスの株主総会会場を示すボード=28日午前、東京都江東区

 沖縄電力を除く大手電力会社9社は28日、株主総会をそれぞれ開いた。顧客情報の不正閲覧やカルテルなど不祥事が続き、各社のトップは株主に謝罪。不正を防止するため、大手電力と子会社の資本関係を完全に切り離す「所有権分離」を求める提案が株主から出された。経営陣はいずれも反対を表明し、9社とも否決して総会は終了した。

 株主からの厳しい批判を受け止め、法令順守と収益確保の両立が経営陣には求められることになる。

 関西電力の森望社長は一連の不祥事を受け「多大なご迷惑とご心配をおかけし誠に申し訳なく、深くおわびする」と述べた。中国電力の滝本夏彦社長も「深くおわび申し上げる。コンプライアンス(法令順守)最優先の業務を徹底し信頼回復に努める」と陳謝した。

 不正閲覧問題で業務改善命令を受けた関西電力の株主は、子会社である関西電力送配電の株式を売却し別会社にするよう要求。東京電力ホールディングスは顧客情報の不正閲覧に関わっていないが、株主から送配電子会社を売却し、売却益で電気料金の値上げ幅を抑える提案を受けた。

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