<市有地に大量土砂、砂ぼこり被害問題>飛散防止液まき対策 「気付いたら積み上がっていた」市、計画のずさんさ認める 7月上旬に住民説明会 千葉・山武

大量の土砂が運び入れられた山武市小松の市有地=20日

 千葉県山武市小松の市有地で、市が住民に十分な説明を行わないまま大量の土砂が運び込まれ、周辺住宅に砂が飛散するなどの被害が出ている問題で、松下浩明市長と市幹部らが27日に記者会見し、土砂に飛散防止液をまくといった対策を講じ、地質調査を行うことなどを明らかにした。7月上旬に住民説明会を開き、市側の対応を伝える。

 市側は会見で、1.5メートル程度の土砂の高さを想定して埋め立てを計画したが「気付いた時には積み上がっていた」(市幹部)と業者により大量の土砂が運び込まれ、計画がずさんだったことを認めた。

 入札を経ない業者との契約は6回。計約1400万円の費用は整地代や付帯工事費で、市が業者に資材代として払う土砂代は無償で提供可能とされ、費用に含まれていないという。土砂の一部は酸性・アルカリ性を示す数値(pH)が基準を超えていたものもあるという。市は計画進行について調査を進めている。

 市は15日の定例議会で「(土砂を)できるだけ早く搬出したい」と答弁。ただ、費用負担などについては地質調査を待ち協議中としている。松下市長は「市民に大変申し訳ない。飛散を止め、市残土条例に沿って処理する方向で検討する」と述べた。

 問題の市有地はかつて池や湿地で、悪臭を訴える一部住民からの要請で市は埋め立てを決め、地元業者に委託。将来の公共工事に使う土砂の仮置き場にもなった。昨年3月からの約3カ月間で、約2万2千平方メートルに約5万5千立方メートルの土砂が運び込まれた。20日には松下市長が住宅や店舗への被害が著しい一部の住民に対し謝罪していた。

記者会見で市有地の土砂問題について説明する松下市長=27日、山武市役所

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