ブルーイノベーション、屋内点検ドローン「ELIOS 3」用放射線検知・計測アタッチメントを9月に発売

ELIOS 3 RADペイロードの特長とメリット

ELIOS 3 RADペイロードは、放射線センサーと専用アプリで構成されており、ELIOS 3に標準装備されているペイロードに取り付けるだけで、リアルタイムかつ遠隔での正確な放射線検知・計測ができる。これにより、速やかな補修計画の策定による施設の早期復旧と対策実行、点検員の負担軽減と安全確保を可能にする。

ELIOS 3 RADペイロードの放射能センサー(写真左)と取付後のELIOS 3(写真右)
飛行中のリアルタイム線量確認画面(左)と、飛行後に3D生成される線量および位置情報

極小空間を含め施設の空中を自在に移動可能。管理区域外や保全区域外などから操作し安全に放射線を検知・計測できるため、点検員の安全確保につながる。

飛行経路を3D点群マップで可視化し、放射線の漏洩位置と線量を全体および任意ポイント毎に正確に把握できる上、撮影動画や実画像と組み合わせることで現場の状態をリアルタイムに把握できる。

放射線に関わる点検や緊急時対応以外には、「E3 RADペイロード」を使用せず通常の施設点検や3D測量などのデータ収集・作成が可能。

開発の背景と今後について

原子力発電所では、施設の通常点検時や、万が一の緊急時に放射線漏洩の確認や、漏洩が疑われる際にはその位置を把握し、線量を正確に計測する必要がある。従来は、点検員が放射線検出器を手に現場に立ち入り計測するため、被ばくが避けられず安全性に課題があったという。

また、事故などの緊急時には点検員も施設内に入れないため、自走式ロボットによる放射線の検知・計測が試みられるが、自走式ロボットでは縦方向の移動ができない上に、施設内部が瓦解している場合は移動が制限され、点検できる範囲に限界があるという課題がある。

ブルーイノベーションはこれまで、電力やプラントなど多くの施設でELIOSシリーズ導入による柔軟な点検体制の構築、危険作業や膨大なコストへの対応、労働力不足などの課題を解決してきた。

今回、飛行しながら3Dでリアルタイムに放射線計測できるELIOS 3 RADペイロードのリリースにより、原子力施設においても点検プロセスの効率化やDX化、緊急時点検に即応する点検体制の構築、点検員の安全確保に貢献していくとしている。

LiDAR搭載屋内用球体ドローン「ELIOS 3」について

ELIOS 3は、Flyability社(スイス)が開発した非GNSS環境下の屋内空間などの飛行特性に優れた屋内用ドローンELIOSシリーズの最新機種。ブルーイノベーションは2018年に日本おける独占販売契約をFlyability社と締結し、ELIOS シリーズを使用した点検ソリューションの提供を提供している。プラントや発電所、下水道などを中心に150カ所を超える屋内施設でのドローン点検の導入実績があるという。

ELIOS 3は、屋内3Dマッピング用LiDARセンサーと飛行空間をリアルタイムに3Dモデル化するSLAMエンジン「FlyAware」を搭載しており、点検対象箇所・施設の多角的かつ高精度なデータ取得と、空間情報の3D化によるドローン周辺環境の容易な把握、それによるドローン操作の簡易化と高い安定飛行性を実現している。

さらに、取得データは専用解析ソフト「Inspector 4.0」を通して高解像度な3Dレポートとして出力され、施設の破損や異常箇所の位置を3Dマップ上で正確に把握・共有できる。また、各ユーザーの特定のニーズに応じたカスタマイズができるようペイロードにも工夫がされており、今後、点検対象施設のフェーズや課題に合わせたアタッチメントのリリースが予定されている。

▶︎ブルーイノベーション株式会社

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