犬に『レインコート』は必要?雨の日散歩に備えて知っておきたい6つのメリットとデメリット

犬に「レインコート」を着せることのメリット

雨の日の散歩を楽しくするために、犬に「レインコート」を着せるメリットを理解しておきましょう。

1.犬の体が濡れることや汚れることを防ぐことができる

レインコートを着せることで、犬の体の大部分が濡れることや汚れることを防ぐことができます。

ペットショップやホームセンターでよく見かけるレインコートでは、主に胴回りが濡れることや汚れることを防ぐことができるタイプです。

フルボディーオーバーオールというタイプのレインコートは、犬の手首・足首まで覆うことができます。商品によっては、顔回りやおしり周りまですっぽり覆うことができるものもあります。

2.犬の体を冷えから守ることができる

レインコートを着せることで、犬の体を冷えから守ることができます。

とくに梅雨の時期は犬も体調を崩しやすくなります。気温や湿度の変化に加え、気圧の変化も加わるためです。犬は意外と体温調節が苦手で、濡れた地面を歩くだけでも体が冷えてしまうことがあります。

雨の日になると、食欲や元気がなくなってしまうという犬の場合、レインコートを着せて散歩し、帰宅後は濡れた部分をドライヤーで十分に乾かし、暖かい寝床で休ませてあげるとよいです。

3.犬の体のお手入れが楽になる

レインコートを着せることで、犬の体のお手入れが楽になります。少し雨に濡れた程度であれば、ドライヤーで乾かすのみのお手入れで済ませてしまうこともあるでしょう。

しかし、泥が手足やお腹周りに跳ねてしまった時は、シャワーで洗い流しますよね。その分、ドライヤーで乾かす時間も増えます。

雨に濡れた犬の体はどうしてもニオイが強くなってしまいます。シャンプーするとなると、お手入れはより大変ですよね。

レインコートを着せることで、お手入れの時短になるというのは、飼い主にとってかなり嬉しいメリットだと思います。多頭飼いをしていると尚更ですよね。

犬にレインコートを着せることのデメリット

では、犬に「レインコート」を着せるデメリットには、どんなことがあるのでしょうか。

1.歩きづらい、動きづらい

レインコートには伸縮性がないものがほとんどです。そのため、犬にとっては歩きづらく、動きづらい可能性が非常に高いです。

歩きづらさや動きづらさから、手足や関節を痛めてしまうことがあります。レインコートを着せると歩かなくなる、という犬もいます。

なお、歩きづらさや動きづらさをほとんど感じることのないレインコートでは、ポンチョタイプがおすすめです。

ポンチョタイプのレインコートには、犬の体が濡れやすく汚れやすいデメリットはあるものの、犬の歩きづらさや動きづらさは随分と軽減してあげることができます。

2.長時間の散歩には不向き

レインコートを着せることで、犬の体は密閉した状態になります。そのため、体温と湿度が上がりやすく、蒸し風呂に入っているような状態になることがあります。

気温と湿度の高い雨の日の長時間のお散歩には、レインコートを着せることによる熱中症の可能性も非常に高くなります。

犬の体を覆いつくすことができる、フルボディーオーバーオールというタイプのレインコートは、とくに注意が必要です。

3.着慣れるまでに時間がかかる

レインコートを着ることを普段から練習している、という犬はほとんどいません。雨の日でなければ着る練習をする機会もないのです。

今日は雨だからレインコートを着せないと…と飼い主が思っても、必ず犬が着てくれるとは限りません。着慣れないものは絶対に拒否!という犬もいます。

普段着慣れている服とは素材が違い、カサカサという音が苦手な犬もいます。犬のレインコートによく使われている素材にはナイロンがありますが、ナイロン独特のニオイを嫌がる犬もいるのではないでしょうか。

まとめ

犬にレインコートを着せることのメリットとデメリットを6つ解説しました。

【メリット】

  • 犬の体が濡れることや汚れることを防ぐことができる
  • 犬の体を冷えから守ることができる
  • 犬の体のお手入れが楽になる

【デメリット】

  • 歩きづらい動きづらい
  • 長時間のお散歩には不向き
  • 着慣れるまでに時間がかかる

どうしても外でなければ排泄をすることができない犬にとっては、レインコートを着せることが必須になりますよね。

お天気が不安定な日は、散歩の途中でゲリラ豪雨に見舞われるということもよくあります。念のために着せて出かけた方が良い日もあるのです。

デメリットも確実にあると思いますが、飼い主にとってだけではなく、犬にとってもレインコートを着せることには多くのメリットがある、ということを知ってほしいです。

レインコートにも種類が豊富にありますので、飼い主が着せやすく、愛犬が嫌がりにくいものを選んであげるとよいと思います。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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