リニア問題解決へ 県議会で議論「スピード感を持って取り組むべき」(静岡県)

こう着状態が続くリニア新幹線の問題について、6月28日の静岡県議会で川勝知事は「課題解決に向け、対話をしっかり進めていく」と話し、慎重な態度を崩しませんでした。議員からはスピード感を持って取り組むべきとの声も上がりました。

27日の会見でも田代ダム案をめぐるJR東海の対応について厳しい批判をした川勝知事。28日の県議会では、こう着状態が続く静岡工区の協議についてスピード感を求める声も上がりました。

(自民改革会議 勝俣昇 県議)

「スピード感をもって進めていくことが知事に求められている、そういう姿が見えてこないと、静岡県政が国民からマイナスの目で見られる」

リニア新幹線の工事によって、大井川の水量減少が懸念されている問題で、対策として検討が進んでいるのが、大井川上流にある「田代ダム」の取水を抑制し大井川の水量を確保する案です。この田代ダム案について、ダムを管理する東京電力は、JR東海に対し、流域市町から「協議開始の了解を得ること」を求めていていました。しかし、県はJR東海に対し「流域市町などと個別に接触することを控えるよう」求めていて、JR東海は東京電力との協議を進められない状況が続いていました。

こうした中、6月14日、県は、大井川利水関係協議会から了承されたとして、東京電力との協議開始を認めるとJR東海に通知。「田代ダム案」が示されてから1年2か月が経ち、先週からJR東海と東京電力による協議が始まりました。

28日、最大会派である自民改革会議の勝俣昇県議から、リニア新幹線の問題に対する姿勢について問われた川勝知事は…

(川勝知事)

「大井川の水を守るという強い思いを、地域の皆さまと共有した上で、大井川の水資源および南アルプスの自然環境の保全と、リニア中央新幹線の整備の両立に、大井川流域8市2町と一体になって取り組んでまいりました」

流域市町と一体になって取り組んでいることを強調した川勝知事ですが、議員からはリニア問題の解決に向けスピード感をもって取り組むよう求める声が上がりました。

(自民改革会議 勝俣昇 県議)

「田代ダム取水抑制案については何年かかったんですか、1年2か月ですよ」「水問題以外にもトンネル工事の残土の置き場問題、生態系の影響もある」「県政のトップである知事がやるべきことは、困難な問題に対し打開策を提案して前に押し進めること」

水問題の解決に向け本格的に動き出した「田代ダム案」ですが、県はJR東海と東京電力の協議の結果をどう受け入れるのか、その対応が注目されます。

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