夜のにぎわいづくりを支援 “宇都宮らしい”イベントで宿泊客増へ

 宇都宮市の佐藤栄一(さとうえいいち)市長は28日の定例記者会見で、宇都宮の夜のにぎわいづくりに向けた「ナイトタイムエコノミー」(夜間の経済活動)に取り組む事業者の補助制度を始めると発表した。9〜11月の秋の夜長に、ジャズやカクテルなどをテーマにした“宇都宮らしい”イベントを開催してもらうことで、県内外からの来訪者や宿泊客を増やしたい考え。

 ナイトタイムエコノミーは、日没から夜明けの時間帯の消費拡大を図る取り組み。アフターコロナや訪日外国人の回復といった観光需要の高まりを受け、全国の都市で先行例がある。

 市は、JR宇都宮駅東口のライトキューブ宇都宮を拠点にした、企業展示会や学術会議などの開催を通して、県内外からの集客に力を入れている。8月26日には、次世代型路面電車(LRT)の開業も控え、来訪者の増加が見込まれることから、宿泊につながるナイトタイムを活用したイベントの支援に乗り出す。

 市によると、中心市街地の飲食店や宿泊施設が集まるエリアで開催する、宇都宮らしいイベントが対象。9〜11月の間、午後6時から翌日午前6時までに行うことが条件。1事業100万円を上限に、経費の半分を補助する。7月3日から募集する。

 想定されるイベントとして、市はギョーザやジャズ、カクテルなどをテーマにした飲み歩き企画や、田川の屋形船クルーズなどを挙げている。

 佐藤市長は「市を訪れる観光客の中には、宇都宮の夜を楽しまずに帰ってしまう人もいる。楽しんでもらうには、夜に力を入れないといけない」と狙いを述べた。

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