【ベトナム】ハノイ不動産市場、金利低下で回復傾向[建設]

ベトナム不動産仲介協会(VARS)によれば、首都ハノイ市の不動産市場が回復傾向にある。政府による業界支援策や政策金利の引き下げを受けて不動産取引は増加に転じており、市場金利の一層の低下が見込まれる7月以降は回復ペースがさらに加速する見込みだという。政府公式サイトが26日付で伝えた。

ハノイの不動産市場は3月末から回復の兆しが見え始めた。6月に入ると東部の大型プロジェクトなどを中心に販売が活性化し、1週間で100戸近くが売れた新築マンションもあったという。

VARSのグエン・バン・ディン会長は、政府による一連の需要刺激策が不動産市場の回復につながったとみている。政府は3月以降、不動産市場の回復を目的とした決議33号(33/NQ—CP)や社債の償還要件などを緩和した政令8号(08/2023/ND—CP)、国営銀行4行による不動産業界への計120兆ドン(約51億米ドル、7,335億円)の低利融資枠の設定など矢継ぎ早の政策を打ち出した。ベトナム国家銀行(中央銀行)は政策金利を4カ月連続で引き下げて市場金利の低下を促し、資金繰りにあえぐ不動産業界を下支えした。

ディン氏は、市場金利がさらに下がると見込まれる7月以降は、不動産取引はさらに活気づくと期待している。現在の販売は実需向けが中心で、賃貸向けでも入居者が着実に見込める物件に限られているが、今後はハノイ周辺でのインフラの整備を見込んだ住宅やリゾート施設、オフィスなどへの投資拡大が期待できるという。

© 株式会社NNA