国内初の再エネ遊覧船発進、福井 太陽光で充電、三方五湖

福井県の名勝・三方五湖で運航されている、太陽光を活用して充電した電池で動く遊覧船=15日、美浜町

 福井県の名勝・三方五湖で、再生可能エネルギーの太陽光を活用して充電した電池で動く遊覧船の運航が、4月から始まった。地元の美浜町によると、こうした遊覧船は国内初という。「自然と共生する未来創造船」をうたい、関係者は地域おこしを意気込む。

 三方五湖は美浜町と若狭町にまたがる五つの湖の総称で、湖ごとに水質や水深が違い、水面の青色が異なる絶景で知られる。多様な魚類が生息し、野鳥が飛来することからラムサール条約にも登録されている。

 観光の起爆剤として、新たに導入された遊覧船は全長18m。船の後方に一般的なEV7~8台分に相当するリチウムイオン電池を搭載する。岸辺の発着場「美浜町レイクセンター」に設置した太陽光パネルで作った電気で充電し、EV同様にモーターを回して進む。

 久々子湖と水月湖の8.8キロのコースを約50分で巡る。ディーゼルエンジンなどを使う一般的な船に比べ、騒音や振動が少なく、静かに野鳥や自然を観察できる。CO2を排出せず、環境に優しい。ガイドが船内モニターを使いながら、自慢の船の仕組みを解説する。

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