国産牛皮を使った野球グラブ 花巻・高清物産など共同開発

国産牛皮を使ったグラブの完成を喜ぶ菊池幸太専務

 花巻市の食肉加工業高清物産(高橋清道社長)などは、国産牛皮を使った野球グラブを共同開発した。主流の外国産牛皮にはない、しなやかで手になじみやすい製品に仕上がり、今夏に本格販売する。かつては捨てられることもあった牛皮の新たな販路として、海外展開も視野に入れる。

 グラブは野球の軟式や硬式、ソフトボールのキャッチャーミット、内野手用などでデザインや色も多様。高い耐久性と軽さが特徴で、昨秋の完成後に試験販売した。7月以降に専用サイトで本格販売し、価格は一般に流通するグラブの半額以下となる2万4千円からを想定する。

 大手スポーツメーカーで長年グラブ開発に携わった土谷昌弘さん(52)が代表を務める「YABAI LLC合同会社」(埼玉県川口市)が発案し、皮加工会社などが賛同した。

 地元ソフトボールクラブの監督も務める高清物産の菊池幸太専務(48)は「実際に使うと品質の良さが分かる。これまで用途が限られていた国産牛皮を多方面に活用して価値を高め、業界の好循環につなげたい」と期待する。

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