最も好調なノーシード選手 リランキング1位桑木志帆が「68」

昨季の経験を経て、ステージは上がった(撮影/村上航)

◇国内女子◇資生堂レディスオープン 初日(29日)◇戸塚CC西コース(神奈川)◇6605yd(パー72)◇晴れ(観衆4097人)

ボギースタートから2度のバウンスバックでパープレーにまとめた前半を経て、桑木志帆が後半インでスコアを伸ばした。12、13番ではショットは今ひとつながら7m、10mを放り込み、14番パー3は実測157ydを7番アイアンで“入りかけ”のベタピンにつけて3連続バーディ。「あまり納得いかない内容でしたけど、うまくまとめられました」。尻上がりの「68」を落ち着いて自己分析した。

初のツアーフル参戦となった昨季、メルセデスランキング50位以内のシード獲得圏を逃し51位に終わった。最終戦だった11月「大王製紙エリエールレディス」は1打差で予選落ち。「1打でシードを逃した。振り返れば“なあなあ”のミスがいくつもあった」。シーズンを「今よりもっと優勝したいと思っていた。焦りもあってか、ミスしたらそれにイラついてしまって」と振り返る。あのショットが…あのパットが…。35試合に出て1ストロークに泣いた。

リランキング1位。初優勝も遠くない?(撮影/村上航)

今季は、同ランキング55位までに付与される「第1回リランキングまでの出場権」で開幕から2週前の「ニチレイレディス」まで16試合に出場し、3度のトップ10などでリランキング1位。メルセデスランキングも15位につける。

ドローからフェードに変え、ショットの精度は増した(撮影/村上航)

オフに球筋をフックに近いドローから、ストレートに近いフェードに替えた。ショットの精度を上げ、初シードはもちろん、ツアー初優勝を狙える力も蓄えてきた。今大会は今季4勝の山下美夢有、2勝の申ジエというランクのトップ2選手がいない。チャンスと呼べる大会だ。

「そこは意識してないです。とにかく自分のプレーをしっかりすること。今はミスしても、それを許せるようになってきました」。意識が薄れることで、逆に初優勝は近づいてきているのかもしれない。(横浜市旭区/加藤裕一)

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