「ハザードマップができるきっかけに」 災害対策の大きな転換点 6.29豪雨災害から24年 広島

本州付近は梅雨の最盛期を迎えています。そして大規模な大雨災害が起こりやすい時期です。ここ最近起こった災害は7月上旬に相次いでいます。そして広島では24年前のきょう6月29日、大雨による大規模な土砂災害が起きました。その後の国の土砂災害対策にとって大きな転換点になった災害です。

記者
「土砂崩れが頻発しています。広島市佐伯区上空に来ています。上空から見てわかるように山ではいたるところで土砂崩れが発生しています」

1999年6月29日、梅雨末期の大雨に見舞われた広島県内…。特に午後の数時間、県の西部を中心に局地的に非常に激しい雨が降りました。広島市佐伯区に設置されていた雨量計では1時間80ミリを超える猛烈な雨を観測。広島市や呉市を中心に各地で大規模な土砂災害が起こり、32人が犠牲になりました。

土石流の瞬間
「こりゃ、おおごとじゃ。こりゃ、家が流されるぞ。きた!」

特に被害が大きかったのが山のふもとに広がる住宅地…。土石流や崖崩れが住宅を直撃し、住民が命を落とすケースが相次ぎました。

記者
「幼児と思われます。1人発見です」

この災害は、山際の住宅地のあり方が大きく議論されるきっかけとなりました。

記者
「現場では樹木が倒れ、家屋の中にあったと思われるいろんなものが散乱しています」

また、国の土砂災害対策にも大きな影響を与えました。今では当たり前となったハザードマップ…。土砂災害の危険性を示す「土砂災害警戒区域」を指定して公表するようになったのは、6・29豪雨災害を受けてできた「土砂災害防止法」がもととなっています。

24年前に起きた災害は、地域の街づくりのあり方や気象情報や避難情報の出し方など、今の災害対策へとつながる大きな転換点となった災害でした。

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