気管支ぜんそく患者の医療費助成制度を廃止する二つの条例案が29日、川崎市議会第3回定例会で賛成多数で可決、成立した。来年3月末で助成制度の新規の受け付けが打ち切られ、廃止される。市民からの意見では約9割が反対だったが、市は「他の疾患との公平性の観点から継続は困難」との説明を繰り返し、方針を変えなかった。
廃止されるのは大人と子どもを対象にした二つの助成制度。「成人ぜん息患者医療費助成制度」は、国の公害健康被害補償法の指定地域から解除されたことを受け、市が補完策として1991年に始めた制度が前身となっている。
公害病が社会問題となる中、1972年に始まった「小児ぜん息患者医療費支給制度」は、市内全域にぜん息患者がいる実態を踏まえ、原因を問わず小児ぜん息と診断された患者を対象としてきた。
条例案が本会議で可決、成立したこの日、福田紀彦市長は、「公平性の観点から、今後の対応を判断した。成人・小児、両制度の受給者に対して、丁寧な対応を行っていきたい」とコメントを出した。