【香港】海底トンネルの料金改定、立法会で可決[運輸]

香港の九龍地区と香港島を結ぶ3本の海底トンネルについて、通行料金を改定するための条例改正案が28日に立法会(議会)で可決された。8月2日から新料金を施行する。

対象となるのは◇中心部を結ぶ紅カン(ホンハム、カン=石へんに勘)海底トンネル(クロスハーバー・トンネル)◇東部を結ぶ東区海底トンネル(イースタン・ハーバー・クロッシング)◇西部を結ぶ西区海底トンネル(ウエスタン・ハーバー・クロッシング)——の3トンネル。民間が運営する西区トンネルの運営権が8月2日に政府に移るのに合わせ、3トンネルの料金格差を是正して交通量の分散を図る。

新料金は、自家用車で◇西区トンネル:60HKドル(約1,100円、現在は75HKドル)◇ホンハムトンネル:30HKドル(同20HKドル)◇東区トンネル:30HKドル(同25HKドル)——。値上げとなるホンハムトンネルと東区トンネルを利用していた車両が、値下げされる西区トンネルに流れて渋滞緩和につながると見込む。

タクシーの通行料金は3トンネル一律25HKドルで、西区トンネル(現在は70HKドル)は値下げ、ホンハムトンネル(同10HKドル)は値上げ、東区トンネルは据え置きとなる。3トンネルの料金をそろえることで、タクシーが遠回りをしてでも出費を抑えようとホンハムトンネルや東区トンネルに集中するのを避ける狙いがある。

運輸・物流局の林世雄局長は「海底トンネルの渋滞が改善され、自家用車の利用者、公共交通業と運輸業、トンネルを通るバスの乗客などあらゆる方面に利点がある」と強調した。

条例には、将来的に時間帯による料金変動制へ移行することも盛り込まれている。タクシーの通行料金は一律25HKドルで変わらないが、自家用車は20~60HKドルの幅で変動するようになる。政府は年内の実施を目指しており、具体的な時期は運輸・物流局長が別途指定する。

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