【ミャンマー】小口融資大手PGMF、6月末で事業を撤退[金融]

ミャンマーのマイクロファイナンス(小口金融)機関大手パクト・グローバル・マイクロファイナンス・ファンド(PGMF)は26日、同国の事業から撤退すると発表した。全権を掌握した軍政当局との事業継続に向けた話し合いが決裂したためだ。200万人を超える人々に融資を実行してきた実績を持つミャンマー事業が30日で幕を閉じる。

PGMFの発表によると、同社は過去2年間にわたり軍政当局と業務継続について協議。業務継続の条件として、軍政への利益分配などを要求された。昨年には、PGMFの全顧客への新規貸し付けが禁止され、同社幹部に対するビザ(査証)の発給が認められない事態も発生した。

ミャンマーでは昨年、団体登録法が改正され、非政府組織(NGO)の登録に関する法的な枠組みが変更された。PGMFによると、同法では同社のようなNGO組織による小口金融事業の展開が認められていない。また、小口金融業者である同社が抱えている対外債務の返済も認められていないという。

PGMFは、軍政への利益分配が米国制裁法に違反する恐れがあり、当局の要求を容認することはできないと判断し、撤退することにした。同社は現時点で89万人に融資しているが、この残高のうち1億5,600万米ドル(約225億円)を超える額の返済は免除する方針を示している。

PGMFは2012年2月、米国で17年間の実績があった小口金融・非政府組織(NGO)パクトのミャンマー版として設立された。これまでに約1万5,000カ所の村落で約230万人に融資した実績を持つ。顧客の99%が女性だったという。

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