旅先でふるさと納税 富山県内初、宇奈月の旅館導入 返礼品は宿泊クーポン

ホテル黒部で導入された、ふるさと納税用端末=黒部市宇奈月温泉

  ●黒部市、珠洲の企業連携

 黒部市は、ふるさと納税事業を手掛ける珠洲市の企業、宇奈月温泉の旅館と連携し、旅先で手軽に寄付できる現地決済システムを導入した。第1号としてホテル黒部が29日、運用を始めた。宿泊客がシステムで納税すれば、寄付額3割相当のクーポンがその場で発行される。市は開湯100周年の同温泉にとどまらず、市全体の宿泊施設、道の駅などに拡充していく。

 システムは、医薬事業などを展開するアステナホールディングス(東京)の子会社アステナミネルヴァ(珠洲市)が開発した「ふるさとNOW」。石川県内で導入自治体が増えており、富山県内では初めてとなった。

 ホテル黒部には29日、専用タブレット端末が設置された。1万円、5万円、10万円の3コースから選択、黒部市のふるさと納税分類に対応した▽医療・福祉▽教育・文化▽環境保全▽公園遊具整備▽アクア本拠地(総合体育センター)環境整備―などから使い道を指定、クレジットカード払いの入力を行えば済む。

 クーポンは宿泊後精算、次回以降利用時でも使える。

 約2分の手続きで済み、会員登録が必要なポータルサイトより簡便で、アステナミネルヴァは40~50代、高齢層の気軽な利用を想定した。端末は無償貸与となっており、導入する自治体、施設側に初期投資負担はない。

 ホテル黒部女将(おかみ)の中島ルミ子さん(52)は「旅に出るきっかけになるし、リピター獲得にもつながる。市内各施設に広がり、寄付が黒部のために役立てばいい」と話した。

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