割れる窓…校舎屋上からソーラーパネル落下 埼玉北で突風「何も見えぬ」 プレハブ倒れ車3台全損 風速は

屋上ソーラーパネル落下やプレハブ倒壊があった熊谷市

 埼玉県内は28日夕方、大気の状態が非常に不安定になり、活発な積乱雲が発生した影響で、県北部を中心に強雨やひょう、突風による被害が相次いだ。熊谷地方気象台は29日、28日午後4時ごろ、深谷市高島から熊谷市河原町で発生し、被害をもたらした突風の種類について、積乱雲から強い下降気流が吹き下ろす「ダウンバースト」か、積乱雲の下の冷たい空気が流れ出す「ガストフロント」の可能性が高いと発表した。

 同気象台は29日、職員を気象庁機動調査班(JMA―MOT)として現地に派遣し調査を実施。突風発生時に活発な積乱雲が付近を通過中だったが、竜巻に伴って発生する細長い漏斗(ろうと)雲や移動する渦の目撃など、竜巻の発生を示す情報は得られなかった。強さは風速約35メートルと推定され、日本版改良藤田スケールで6段階のうち一番下のJEF0に該当する。

 熊谷市小島の県立熊谷工業高校では電気機械棟の屋上に設置されていたソーラーパネル(縦約3メートル、横約10メートル)が地上に落下。窓ガラスも割れたものの、生徒や教職員に被害はなかったという。同校の越後屋智彦事務部長(50)は「見たことがないようなすごい風で、視界も悪くて何も見えなかった」と振り返った。

 同市今井の電気工事会社カイゴテック熊谷中央支店では、倉庫として使用していたプレハブが倒れ、車3台が「全損」の被害を受けた。29日には従業員たちが片付け作業に追われていた。同社の安部末明社長(58)は「雨と風に加えて、ひょうがすごく、外は真っ白で何も見えなかった。今後も気を付けないといけない」と話した。

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