自転車保険もう入った? 加入促す岩手県条例、1日完全施行

自転車の安全な利用方法やTSマークに付帯する賠償責任補償について説明する藤川文子店長(左)=盛岡市津志田西

 自転車の安全を巡り、岩手県内は転換期を迎えている。損害賠償責任保険などへ加入を努力義務とする県条例が7月1日、完全施行。事故による高額賠償を想定し、罰則規定は設けずに広く促す。加入意識は浸透していない上、多様な形式があり、更新されていないケースも。4月から努力義務化されたヘルメット着用率も県警調査で12.9%にとどまるなど、利用者へのアプローチは難しい。関係機関は安全と安心のため、粘り強く周知する方針だ。

 自転車購入時は、保険や補償制度に加入する機会でもある。盛岡市津志田西の自転車販売店チャリ松盛岡南店(藤川文子店長)では、従業員がブレーキやベルなど安全性を入念にチェック。車体に赤色のTSマークが交付された。整備されたことを証明するマークで、賠償責任補償は最大1億円となっている。

 加入期間は点検後1年だが、購入以降毎年点検する人は多くなく、結果的に未加入となるケースが目立つ。藤川店長(49)は「もしものために保険に入ることはもちろん、事故を起こさないための点検も徹底してほしい」と訴える。

© 株式会社岩手日報社