御朱印ならぬ「御菓印」いかが? 京都など全国の和菓子店本店で銘菓購入の証

「鳩サブレー」で有名な豊島屋の本店で配布している御菓印と御菓印帳(鎌倉市)

 御朱印ならぬ、「御菓印」はいかが? 全国の和菓子店の本店を訪れ、銘菓を購入した証しとして、個性豊かなデザインの御菓印を配布する取り組みを業界団体が始めた。若年層の和菓子離れがささやかれる中、収集欲と食欲をくすぐる切り札として新たなファンの開拓を狙う。

 団体は各地の老舗和菓子店83店でつくる全国銘産菓子工業協同組合(全国銘菓、東京)。ブームが続く社寺の御朱印、城郭の御城印などをヒントに、加盟店に協力を呼びかけた。

 協力店は40超に上り、京都からは、とらや(京都市上京区)、聖護院八ッ橋総本店(左京区)、井筒八ッ橋本舗(右京区)、豆政(中京区)が参加。全国的に見ると、北は大福豆を使った「わかさいも」が人気のわかさいも本舗(北海道洞爺湖町)から、南は独特の舌触りが特徴の「軽羹(かるかん)」で知られる明石屋(鹿児島市)が名を連ねる。

 御菓印はA6、はがきサイズで、デザインは各店の自由だ。例えば、豊島屋(神奈川県鎌倉市)は定番の「鳩サブレー」を、どらやきが看板商品のうさぎや(東京・上野)は店名にちなむウサギ、「赤福餅」で有名な赤福(三重県伊勢市)は本店外観のイラストをあしらっている。原則、各本店で一定額を購入した人に渡す。御菓印をとじる「御菓印帳」も販売中。

 全国銘菓の理事長を務める久保田陽彦・豊島屋社長は「本店ならではのたたずまいや接客を体感してもらい、和菓子ファンを増やしたい。ぜひ、地方のお菓子を巡りに足を運んでほしい」と話す。

豆政(中京区)

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