「認知症理解、オレンジの花で広めよう」当事者が袋詰めした種配布 京都・南丹

認知症当事者らが袋詰めしたマリーゴールドなどの種を配布している窓口(京都府南丹市八木町・南丹地域包括支援センター八木事務所)

 認知症支援のシンボルカラーであるオレンジ色の花で地域を彩る活動に、京都府南丹市の南丹地域包括支援センターが取り組んでいる。認知症当事者が袋詰めしたマリーゴールドやキバナコスモスの種を市社会福祉協議会の事務所などで無料配布し、育てた花の写真を募っている。同センターは「認知症に関わりの少ない人が思いを寄せるきっかけになれば」と願う。

 花を育てる取り組みは全国で行われ、同センターは「なんたんオレンジガーデニングプロジェクト」として、2021年から毎年行っている。

 種を小袋に仕分ける作業は、認知症対応のグループホームなど市内11カ所に依頼。認知症当事者が包装に絵を描くなどし、社会参加につながっている。

 過去2年は1200袋を福祉施設、小中学校、店舗や個人に配布し、世界アルツハイマー月間の9月に咲かせてもらった。2年とも人気で在庫がなくなったため、今年は1700袋を用意した。

 6月から市社協の事務所や市役所の本庁と各支所で配っている。なくなり次第終了で、7月上旬までに植えてほしいという。成育中や開花した写真にコメントを添えて応募すると、同センターの「認知症地域支援推進員」のフェイスブックなどで紹介される。

 同センターによると園芸愛好家のほか、土いじりが好きな認知症当事者、認知症だった家族をしのぶ元介護者など多様な人が栽培している。「オレンジ色の花を見たら、認知症について考えてほしい」としている。

 応募者から抽選で10人に、千円分の市商工会商品券が当たる。10月31日までに、旧4町ごとの同センター事務所に持ち込むか、メールnantan-caravanmate@cans.zaq.ne.jpなどに申し込む。問い合わせは同センター八木事務所0771(43)0551。

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