宇都宮市の支援事業開始1年 子どもの居場所大幅増 寄付金分配など奏功

下栗寺小屋で輪投げを楽しむ子どもたち

 家庭や学校以外で子どもが安心して過ごせる場所の設置を目指す「宇都宮市子どもの居場所づくり事業」がスタートして1年。登録数は29日までに30カ所を数え、事業開始時から1.7倍に増えた。登録要件を緩和し、新たに寄付金を分配するなど、市の支援拡大が功を奏した格好だ。一方、キッチンカーを利用した子ども食堂に取り組む団体もあるが、固定の場所でないため登録要件を満たさず、市の支援を受けられていない。新たな形態を市がどうサポートするか課題も出てきている。

 「こんにちはー」。放課後になると、子どもたちが元気な声を響かせて集まってくる。地元公民館で月4回活動する同市下栗町の下栗寺小屋は、遊びが主な活動。横川東小5年の女子児童(10)は「友達もたくさんいるし、おばあちゃんが話を聞いてくれて楽しい」と笑顔を見せる。2006年から活動を続ける川嶋和子(かわしまかつこ)代表(71)は「以前は資金繰りが大変だったが、新たに市の支援が手厚くなり本当に助かる」と話す。

「monamoon」が運営するキッチンカー。菊池代表は「支援が必要な時はぜひ声をかけてほしい」と話している

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