1人で電車に乗った男の子(5)車内放送も親の反応なし…「本当に1人でいるのかもしれない」車掌のとっさの判断で無事 母親の元へ 広島

広島県呉市で、1人で電車に乗っていた保育園児を無事、保護したとして、JRの職員に警察から感謝状が贈られました。JR職員がとった、とっさの判断とは―。

広警察署の 則宗啓司 署長から感謝状を贈られたのは、JR西日本の車掌・松岡翼 さんと 水野洋輝 さんです。2人は乗務中、ひとりぼっちで電車にいた当時5歳の男の子を発見し保護しました。

ことしの3月30日のことです。松岡さんと水野さんが乗務していたのは、JR呉線 広島方面行きの電車…。午後6時半前、新広駅を過ぎたあたりで乗客から「子ども1人で車内にいる」と情報提供がありました。

JR西日本 松岡翼 車掌
「最初は、電車の中で迷子になったかなと」

すぐに指令所に連絡し、車内を確認したところ、男の子を発見。水野さんが、呉駅到着後に車内放送で保護者を探しましたが、反応はありませんでした。

JR西日本 水野洋揮 車掌
「それらしき該当する方がいらっしゃらなかったので、本当に1人でいるのかもしれないと」

この40分ほど前、広警察署に「目を離したすきに子どもが自宅からいなくなった」と母親から通報があり、捜索していたということです。

男の子は、呉警察署で保護されたあと、無事に母親と再会することができました。

JR西日本 松岡翼 車掌
「親御さんのもとに返せたのが一番ほっとしてる。感謝状をいただいて、うれしいですが、それより人命を救助できたことが、自分の中ではほっとしている」

JR西日本 水野洋揮 車掌
「本当に1人で乗っているんだったら、すごくたいへんなことが発生していると思っていたので、すぐに何かしら対応しなといといけないと思いました」

広警察署 則宗啓司 署長
「お客さんを乗せて移動されるので、行方不明事案は特にご協力いただくことも多いので、連携を図っていきたい」

警察によりますと、男の子は、ひとりで家を出て、JR新広駅で電車に乗ったと見られていて、事件性はないということです。

© 株式会社中国放送