町おこしの救世主は「なす」 特産「狩留家なす」の栽培はじめ10年 ほっぺが落ちそうな味に収穫祭は大盛況 広島

広島市安佐北区のご当地野菜「狩留家なす」の収穫祭が、このほどありました。特産ナスの栽培が始まって10年…。主催者は町おこしの手応えを感じていました。

小学5年女児
「すごいでっかくて、普通のより白いので、ビックリしました」

収穫祭のイベントの1つ、収穫体験です。「狩留家なす」はもともと町内の農家が作っていた青ナスです。

その味の良さに注目した地元のNPO狩留家が、10年前から町の特産品として栽培を広めています。

NPO狩留家 黒川章男 理事長
「ちょっと焼いてね、焼きナス等にして食べると、もうトロトロとして、ほっぺが落ちてきそうな味がしますね」

広島駅からJR芸備線で30分あまり。広島市安佐北区狩留家町です。ふだんは静かな狩留家駅も、収穫祭が開かれた24日は、大勢の人たちでにぎわいました。

訪れた人たち
「ナスをいただくのが楽しみです」
「新しく広島の特産品ということをぜひ食べてみたいなと」

7回目を迎えた「狩留家なす収穫祭」。コロナ禍による中止を経て、2022年、復活しました。人気のナス料理の昼食は、今回、3つのグループが調理を担当しました。このうち最も多い3品を作ったのが、広島市にある比治山大学管理栄養学科の学生です。

比治山大学 4年 盛田涼風 さん
「トロトロした食感をより引き出すようにしています」

こちらは、炒めたナスをごはんの上に乗せてノリで巻いた「狩留家なす巻きおにぎり」です。

盛田涼風 さん
「学校の方で試作した時に、食べていただいた方々がおいしいと言ってくださったので、自信作になります」

学生の作品のほか、地元の女性たちが作った「狩留家なす丼」。弁当業者が作った冷製スープ「狩留家なすソワーズ」も…。

訪れた人たち
「(おにぎり)おいしいです。スープがすごくおいしかった」
「(南蛮漬け)すごく食べ応えがあって、味もしみていて、おいしかったです」

広島市の松井市長の姿もあり、こんな言葉も…

広島市 松井一実 市長
「中山間地の活性化のモデルになったらええなと思う」

実はこの「狩留家なす」はことし、広島市のふるさと納税の返礼品に採用されました。飲食業者とのコラボも進んでいて、ことしは過去最高の9万本の生産を目指しています。

主催者は町おこしの手応えを感じていました。

NPO狩留家 黒川章男 理事長
「広島の都心や広島空港から30分で往来できる。住民たちの人情味あふれる地域性、このような資源を有効に活かして、知恵でお金を生み出しながら、狩留家の町おこしを進めていきたい」

ことしの狩留家なすの初出荷は7月3日の予定です。

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