EU、中国依存リスク低減で合意 台湾海峡緊張に懸念表明

EU首脳会議に出席するフランスのマクロン大統領(左)とフォンデアライエン欧州委員長=30日、ブリュッセル(ロイター=共同)

 【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)首脳会議は30日、ブリュッセルで2日目の討議を行い、中国との経済関係を維持しつつ、依存リスクを低減させるとの文書に合意し閉幕した。中国が海洋進出を強める東・南シナ海について「世界の安全保障にとって戦略的に重要」と指摘し、台湾海峡で緊張が高まっていることに懸念を表明した。

 強制労働が指摘される中国・新疆ウイグル自治区やチベット自治区の少数民族への対応や、民主派の弾圧が続く香港の状況にも言及した。

 文書は中国について「パートナーであると同時に競争相手であり、また体制上のライバルでもある」と指摘。EUとしての中国に対する「多面的な政策アプローチを再確認した」とした。

 その上で、中国は引き続き重要な経済パートナーだとして「デカップリング(経済切り離し)」ではなく、サプライチェーン(供給網)などの依存リスクを低減する「デリスク(リスク回避)」を目指す方針を示した。

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