読めた「黒塗り」…処理は生徒ら24人 さいたま市教委「調査報告書」 市が通知も「研修なし、周知されず」

マスキング(黒塗り)されて、さいたま市のホームページに掲載された調査報告書。誤って読み取れる状態で一時公開された

 埼玉県さいたま市議会文教委員会が30日開かれ、市立南浦和中学校1年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題で、調査報告書のマスキング(黒塗り)部分が一時閲覧可能だったことなどについて、市教育委員会が報告した。市からマスキングに関する通知は出ていたものの、市教委側は「研修は行われず、十分周知されていなかった」と説明した。

 市教委側は、マスキング処理された関係者が遺族、医師、教職員9人、生徒13人の計24人と報告した。当事者に手紙やメールで通知をしていると説明。市議側から訪問すべきと指摘を受け、訪問して謝罪する意向が示された。

 第三者委員会は6月23日、調査報告書を公表した。再発防止の提言が示されており、野津吉宏学校教育部長は「子どもの命を失った悲しい事実をしっかり受け止めた上で、提言を踏まえ、市教委の行っている施策だけではなく、充実させ、しっかり対応したい」と述べた。

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