誤徴収の総額1486万円 長崎県大村市の結核検診 20年間で1万7837人

 長崎県大村市が結核検診の費用を誤って市民から徴収していた問題を巡り、市は6月30日の市議会全員協議会で、約20年にわたり市民計1万7837人から総額約1486万円を誤徴収していたと明らかにした。
 市国保けんこう課によると、本来65歳以上の結核検診費は公費負担となるが、結核検診は肺がん検診で撮影した胸部エックス線画像を使うため、市は肺がん検診の自己負担金を徴収していた。国が6月、「がん検診と同時に実施しても費用は徴収しない」と通知を出したことで誤りが発覚。過去にさかのぼり調べたところ、2004年度から徴収し続けていた。
 1人当たりの誤徴収額は100~5650円。対象者のうち約3400人は既に亡くなっているとみられる。市は今後、対象者や相続人におわびと返金の案内を送付し、誤徴収分を返金する方針。同課は「市民の方に大変申し訳なく思う。準備ができ次第、早急に案内を送付したい」としている。

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