6年ぶりトップ10へ 今季レギュラー初戦の服部真夕「本当に耐えた」

レギュラーツアー今季初出場(撮影/村上航)

◇国内女子◇資生堂レディスオープン 3日目(1日)◇戸塚CC西コース(神奈川)◇6605yd(パー72)◇雨(観衆4902人)

後半14番グリーンにいた時、土砂降りの雨で競技が中断した。18番グリーンでは2度目の中断を想像させるほど強まった雨を浴びながら、服部真夕がパーでホールアウトした。29位スタートから2バーディ、1ボギーの「71」で通算1アンダー、20位へ。「本当に耐えましたよ~」とこぼす笑顔に安堵感がにじんだ。

今季ツアー18戦目にして今季初出場だ。プロテストに合格した2007年にたった12戦でシードを決め、ここまで通算5勝した。

プロ17年目の35歳(撮影/村上航)

しかし、18年に11年間保持したシードを落とし、以後は出れば予選落ちの繰り返し、昨年のファイナルQTも最下位96位。それでも主催者推薦をもらった今大会は「しっかり成績を残さないと、という気持ちと、特に変わらず淡々とできればって思い」でコースに立った。

スランプは、アプローチのイップスから始まった。19年オフに帯同キャディの呉本里恵子さんに「左で打てば?」と言われ、ゴルフ用品量販店に出向いて56度、58度と中古の左用ウェッジを約3万円で買った。うち1本、ロフト角56度のキャロウェイ マックダディ4が今は“生命線”だ。

2バーディ、1ボギーでプレーした(撮影/村上航)

2021年のステップアップツアー「SkyレディースABC杯」で下部とはいえ、6年ぶりの優勝を飾って、泣いた。「早くレギュラーツアーに戻って頑張ります!」。そう宣言したはずが、昨季はツアー出場14戦で予選落ち13回。唯一予選通過した「リゾートトラストレディス」は64位で最下位に沈んだ。

「21年に勝って、いい手応えがあったのに、年をはさんでリセットされた感じでした。自分でもっとよくしようと思って取り組んだものが、逆にやりすぎてしまって」。より良いバックスイングを求める動きが強すぎて、スイング全体を崩した。「この年になると、どうしても体も変わってくるし」。体の変化も災いした。

悪天候にも負けず…(撮影/村上航)

今年始め、左肩の治療に出向いた際、理学療法的な体のケアを学んだ。肩甲骨や股関節といったゴルフに大事な箇所の可動域を広げるためだ。そうまでしてでも、ツアーで5勝した35歳のプロ17年生は現役でいたい。ツアーに出たい。

「だって、今日なんか本当に気持ちよかったですよ。ツアーで決勝ラウンドに進んで、朝イチスタートだったけど(表の)アウトからプレーできて。天気は悪かったけど、最高でした」

アプローチに使う左用ウェッジ(撮影/加藤裕一)

首位と6打差の20位で迎える最終日、優勝は遠くても通算3アンダーの9位タイグループまでは2打差。トップ10フィニッシュとなれば、2017年「樋口久子 三菱電機レディス」(10位タイ)以来6年ぶり。「えーっ! そんな前なんだ…」。最終日の7月2日は、2年前のステップアップツアーで復活Vを飾った日。験のいい日に結果が出れば、服部はもっとやる気になる。(横浜市旭区/加藤裕一)

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