香港長官「破壊勢力が潜伏」 返還26年、民主派を監視

返還から26年を迎えた香港で掲揚される中国の国旗=1日(CNS=共同)

 【香港共同】香港は1日、英国から中国への返還から26年を迎えた。香港政府トップの李家超行政長官は記念式典で「香港には破壊勢力が潜伏している。国家安全を守らなければならない」と演説し、当局に批判的な民主派勢力を厳しく取り締まる考えを示した。

 2020年施行の香港国家安全維持法(国安法)によってデモは抑え込まれているが、不満は蓄積。当局はインターネットでの民主化活動への監視を強める構えだ。

 李氏は民主派を念頭に、破壊勢力の「ソフトな抵抗」に警戒すべきだと訴えた。街頭での抗議活動とは異なる、ネットを利用した政府への抵抗の動きを指している。

 香港では最近、移植医療用の臓器提供を巡り、香港人の臓器が中国本土に送られるとのうわさがネットで出回り、5月時点で約3千人が提供の登録を取り消す事態となった。政府は民主派が背後におり、政府への不信をあおっていると分析、取り締まる方針だ。

 式典には中国政府の香港出先機関「香港連絡弁公室」トップ、鄭雁雄主任らが出席した。

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