雨を味方につけ菅波冬悟がスーパーフォーミュラ・ライツ第7戦鈴鹿で初優勝を飾る

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第3大会は7月1日、三重県の鈴鹿サーキットで第7戦の決勝レースが行われ、小雨が降り続く不安定な天候のなか、この第3大会に代役参戦した菅波冬悟(JMS RACING with B-MAX)が展開を味方につけスーパーフォーミュラ・ライツでの初優勝を飾った。

 12時45分から行われた公式予選に続き、7月1日に行われた第7戦の決勝レースだが、直前に行われたポルシェカレラカップ・アジア等の影響で、当初予定から20分遅れとなる16時40分にフォーメーションラップがスタートした。

 パラパラと雨が降り続いてはいるものの、10番手の堤優威(Rn-sports F320)、11番手のDRAGON(TEAM DRAGON B-MAX 320)、12番手の畑享志(A-NeKT with B-MAX 320)をのぞく全車がスリックを履きスタートを切ったが、1周目、トップで1コーナーに入った平良、2番手の小出峻(HFDP WITH TODA RACING)、3番手に浮上した野中誠太(PONOS Racing TOM’S 320 TGR-DC)の背後でバトルを展開していたイゴール・オオムラ・フラガ(FANATEC-GRAN TURISMO with B-MAX)と木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)が接触。2台がグラベルにストップしてしまう。

 そんな展開のなか、10番手から一気にポジションを上げたのはウエットタイヤを履いた堤。オオムラ・フラガと木村の接触でセーフティカーランとなったが、この時点で4番手に浮上。4周目のリスタート後、一気に上位3台をかわしトップに浮上した。ただ、6周目を迎える頃には急激にペースが落ちてしまう。

 堤の背後に迫ったのは、セーフティカーラン中にピットインしウエットタイヤに履き替えたデビッド・ビダーレス(B-MAX RACING 320)、そして同様にウエットを履いた代役参戦の菅波。7周目にはビダーレスと菅波が一気に堤をかわすと、堤はスリックを履き続けた集団にもかわされてしまった。

 一方、今度はトップに浮上したビダーレスが8周目に急激にペースが落ちてしまった。9周目、菅波が一気に1コーナーでビダーレスをかわしトップに立つ。堤と同様ビダーレスも急激にペースが落ちてしまい、雨脚、ウエット/スリックタイヤの状況と、コンディションがどう変化するかに注目が集まった。

 10周目、スリックのまま走り続け2番手にポジションを戻した平良のペースが菅波よりも速くなったものの、その後はウエットタイヤの内圧をしっかり調整し、タイヤを守る走りをみせた菅波が少しずつ平良、そして3番手につけた野中とのギャップを広げていく。菅波は最後は平良とのギャップを5.888秒差まで築くと、17周を走り切り嬉しいスーパーフォーミュラ・ライツ初優勝を飾った。

 2位はスリックで走り続けた平良、3位は野中が入り、今季初表彰台を獲得。スーパーGTでのチームメイト同士が表彰台に登ることになった。マスタークラスは、ウエットを得意とし総合の争いにも割って入った畑享志(A-NeKT with B-MAX 320)が8位でフィニッシュ。優勝を飾った。

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権

第7戦鈴鹿 決勝結果

Pos Class No Driver Car Engine Laps Grid Qualify

1

4 菅波冬悟 JMS RACING with B-MAX スピースA41 17 8 1’54.563

2

1 平良響 モビリティ中京 TOM’S 320 TGR-DC トムスTAZ31 17 1 1’53.854

3

35 野中誠太 PONOS Racing TOM’S 320 TGR-DC トムスTAZ31 17 4 1’54.201

4

2 小出峻 HFDP WITH TODA RACING スピースA41 17 2 1’54.152

5

37 E.トゥルーリ モビリティ中京 TOM’S 320 トムスTAZ31 17 7 1’54.450

6

51 D.ビダーレス B-MAX RACING 320 スピースA41 17 6 1’54.261

7

36 古谷悠河 Deloitte. HTP TOM’S 320 トムスTAZ31 17 9 1’54.570

8 M 53 畑享志 A-NeKT with B-MAX 320 スピースA41 17 12 1’58.721

9

10 堤優威 Rn-sports F320 スピースA41 17 10 1’54.916

10

30 DRAGON TEAM DRAGON B-MAX 320 スリーボンド東名TB14F3 17 11 1’57.834

11

50 木村偉織 HFDP WITH B-MAX RACING スピースA41 16 5 1’54.207

R

52 I.オオムラ・フラガ FANATEC-GRAN TURISMO with B-MAX スピースA41 17 3 1’54.184

天候:雨 路面:ウエット
ファステストラップ:イゴール・オオムラ・フラガ(FANATEC-GRAN TURISMO with B-MAX) 2’09.724 3/6
ペナルティ:No.52は、ペナルティポイント1点×2(全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権統一規則 第15条2.(危険なドライブ行為))

スーパーフォーミュラ・ライツ第3大会鈴鹿 第7戦スタート
スーパーフォーミュラ・ライツ第3大会鈴鹿 平良響(モビリティ中京 TOM’S 320 TGR-DC)
スーパーフォーミュラ・ライツ第3大会鈴鹿 第7戦スタート
スーパーフォーミュラ・ライツ第3大会鈴鹿 菅波冬悟(JMS RACING with B-MAX)
スーパーフォーミュラ・ライツ第3大会鈴鹿 堤優威(Rn-sports F320)
スーパーフォーミュラ・ライツ第3大会鈴鹿 第7戦表彰台
スーパーフォーミュラ・ライツ第3大会鈴鹿 菅波冬悟と握手をかわす野中誠太
スーパーフォーミュラ・ライツ第3大会鈴鹿 菅波冬悟の初優勝を喜ぶ服部尚貴

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