スパで開催されたフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパの事故で18歳のファン・ト・ホフが亡くなる

 7月1日(土)、ベルギーのスパ・フランコルシャンで開催されたフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパの第4戦レース2で発生したアクシデントにより、MPモータースポーツから出走していたディラーノ・ファン・ト・ホフが亡くなった。享年18歳。

 アクシデントはウエットコンディションでの開催となった決勝レース2の終盤に発生した。2番手を走行していたティム・トラムニッツ(R-ace GP)がラディオン出口でスピンを喫してしまう。

 これに起因してケメル・ストレート上で複数台が絡む多重アクシデントが発生し、後方を走っていたファン・ト・ホフも接触。

 水飛沫で視界が遮られる中、マシンにダメージを受けた状態でコースを横向きで進む状態となると、さらに後続からフルスピードに近い速度でケメル・ストレートを進むアダム・フィッツジェラルド(PRM)のマシンに追突されるかたちとなり、アントワーヌ・ユベールの命を奪った2019年のFIA F2でのクラッシュを彷彿とさせるアクシデントとなってしまった。

 ファン・ト・ホフの所属するMPモータースポーツからの声明には、「オランダで最も優秀な才能のひとりであり、私たちとともにレースをした数年間、チームに多くのエネルギーをもたらしてくれたディラーノを失ったことに打ちのめされている」と記されている。

「ディラーノは2021年にMPでモータースポーツデビューして以来、我々のレーシングファミリーの一員だった。私たちはディラーノの家族と、彼の愛する人たちに心から哀悼の意を表し、ドライバーだけでなく友人をも失った彼らとチームメンバーを全面的にサポートする」

 ファン・ト・ホフは2021年にアラブ首長国連邦でウインターシリーズとして開催されたFIA-F4 UAEでシングルシーターデビューを果たした。20戦中5勝という好成績を収めたものの、元F1ドライバーのヤルノ・トゥルーリの息子であるエンツォ・トゥルーリに次ぐランキング2位となり、わずか1ポイント差で選手権タイトルを逃した。

 ただ、ファン・ト・ホフは同年のスペインF4でその才能を存分に発揮し、21戦中13勝という圧倒的な走りでチャンピオンに輝いた。2022年よりフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパにフル参戦を開始し、最高位は3位だった。

 F1最高責任者のステファノ・ドメニカリがファン・ト・ホフの訃報を受け、ソーシャルメディア上で追悼の意を表した。

「今日、スパ・フランコルシャンでディラーノ・ファン・ト・ホフが亡くなったことを知り、とても悲しく思う。ディラーノはモータースポーツの頂点に立つという夢を追い求めながら亡くなった。モータースポーツ界全体とともに、私たちの思いは、彼の家族と愛する人たちとともにある」

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